アトラトル
遺物がないことから、何とも断言する訳にはいかないが、 小型の有茎尖頭器は、アトラトルの矢尻だと思っている。 弓矢の矢尻にしては大き過ぎ、単なる槍先にしては小さ過ぎ、 この中間の大きさを考えたとき、アトラトルの矢尻が思いつく。 アトラトルの和訳は投槍器、 投げ槍と訳されているところから誤解を招く。 確かに弓矢のない時代の道具かもしれないが、 太い柄の槍を投げるには無理がある。...
View Article伐木
所山工房、冬に備えて薪の準備。 すでに一部備蓄済みだが、窓の日陰解消も兼ねて、 太めのマツ2本を伐り倒した。 径級は約50CM、樹高は20M近く、 チェンソーのバーが径より短いので、左右から切り込む。 木と木の間、狙いは正確だったつもりが、 伐倒先の木の片側の枝を、上から下までなぎ払ってしまった、 2本目は、最初の1本のすぐ横へ。 伐木の音は盛大、そして、倒れるシーンはすごい迫力、...
View Article熊の頭骨
去年の秋、花畑に埋けておいた熊の頭骨、 そろそろ掘り出しても良いかもしれない。 熊の頭骨なんてどうするのと、良く聞かれるが、 ただ、なんとなく側に置いておきたいだけ。 本当なら埋めずに、生のまま煮てしまうのが一番だが、 煮た後の作業が嫌で、土に埋め虫に任せたもの。 煮る時は普通、苛性ソーダーを用いるので 骨が真っ白に仕上がるが、埋けたものは残念ながら黄変する。 それでも掘り出してすぐ、...
View Article冬の石器づくり
いよいよ冬到来、昨日が初雪、 そして、今日も雪、積雪こそ無いものの 暖房なしでは過ごせない寒い一日。 例年、積雪前に最後の黒曜石の採集、 ところが今年は、一向にその気にならない。 それもそのはず、最近はまったく黒曜石を消費していない。 おまけに所山工房には、手つかずの黒曜石のストック。 黒曜石を採集に行く理由がない。 その昔、冬期間の石器づくりの実態は。...
View Articleインターネット
ようやく、やっと光回線が開通。 インターネットで、場所と時間に関係なく 仕事ができる世の中になるはずだったが、 現実は今までと、ほとんど変わりなし。 頼りの回線は大都市優先、過疎地の整備は後回し。 光に次いで最近の出来事は、AUのiPhone購入、 これが驚きの通信エリア、SoftBankを凌ぎ所山でも通じる。 これまで所山は圏外、FMラジオは受信できたものの、 携帯電話の受信は無理だった。...
View Article木のナイフ
このまま冬ごもりかな、最近は全く手が動いていない。 昨日は駄目押しの右手首の負傷。 薪割り中に飛び跳ねた薪が右手首にヒット、 骨折はしてないと思うが、腫れあがって踝が分からない。 ナイフづくりの再開が遠退いた。 それでも、石はだめでも木のナイフづくり、 最近は、結構バターナイフをつくっていた。 取りあえず材鑑見本も兼ねて、 同じ形で16の樹種、16本のナイフ。...
View Articleブレードづくり
安住遺跡周辺での表採、 今年の最後は、なんと9月だった。 それも表採の遺物は、車に置きっぱなし、 以前だったら、ありえなかったこと。 でも、表採の意欲が減退した訳でなく、 今年の秋は、所山工房の整備に掛りっきり、 他のことをする余裕がなかった結果。 積雪を前に所山工房も一段落、 薪ストーブを前に、石器づくりを始めるつもり。 ただ、今年は流木拾いにも行けなかったので、 ハンドルの加工は無理、...
View Article一部磨製
今日から師走、 まだ師の走りは見てないが、なんとなく気忙しい。 北海道の四季は、くっきりはっきり、 そして、その移り変わりは早い。 所山では昨日降った雪が、おそらく根雪。 もうそろそろ熊の心配も薄れたので、 工房奥の細い立木を、伐り出すことにしよう。 この際、黒曜石の斧を使ってみるつもり。 石斧は、一般的には磨製石器、 黒曜石の磨製石器は、無さそうだが、 磨製といって良いかどうか分からないが、...
View Articleシース
黒曜石のナイフのシースは、 もっぱらシラカバの樹皮でつくっているが、 たまに編組のシースも良いかもしれない。 確か東北地方の鉈の鞘に、 ブドウ蔓で編んだものがあったと思う。 先日、町内で行われた藁細工教室、 あの編み方つくり方、ナイフのシースに応用できる。 材料は、やはりブドウの蔓が一番、 飾りにサクラの皮を編み込んでもいいかも。 ナイフとして使われていた石器には、...
View Article焚火
予想以上の積雪、 暖かい日が続けば、すぐに解けると思うが、 明後日も降雪の予報、そうも行かないらしい。 これから先、所山工房通いは山スキー、 往路は約1時間、夏場の6倍時間を要す。 ようやく雪が積もったので、 待ちわびた盛大な焚火をしてみよう。 焚火の炉は、石を円形に並べて準備済み。 そして、薪も準備済み、 後は闇夜を照らす、焚火の炎の下で石器づくり。 このとき見えるかどうか、...
View Articleトビ
地元鉄工所の刻印の打たれたトビが手に入った。 既に廃業のムラの鍛冶屋が残した、当時の営林署御用達のトビ。 林業全盛期に、トビやガンタ、サッテといった 山仕事の道具の製造を、一手に引き受けていた鍛冶屋、 その鍛冶屋のつくったトビは、エゾトビとも呼ばれ、 広く道内で利用されていた。 トビは、鳥の鳶の頭に見えるところからトビ。 地元では、鳥の鳶をトンビと呼ぶが、なぜか道具のトビはトビ。...
View Article伐木
本格的な降雪、根雪は予想どおり。 冬は冬山造材の季節、本格的な素材生産が始まる。 冬は地中が凍り、水分、養分を吸い上げることが 出来無くなるため、木の成長は一休み。 木は水分が少なくなって軽くなるとともに、乾燥が進む、 また、積雪が伐木のダメージを軽くし、 さらに、丸太の搬出を容易にする。 伐木は伐倒とも呼ばれ、木を切り倒すこと。 伐木の要点は、製材時の歩留まりをあげるため、...
View Article所山工房
所山工房への道、運良く造材業者のブルが除雪、 早速、車で行ったが、残念ながら腹がつかえて無理だった。 結局、車を置いて徒歩で向かう、 こんなことなら、初めからスキーで行けば良かった。 鹿柵の入口に、山から下る鹿の足跡、 それが驚きの場所を通っていた。 入口の扉とその扉を支える支柱の間、 およそ10cmの隙間を通り抜けていた。 おそらく子鹿、それにしても鹿柵にとっては想定外。...
View Article頭髪
このまま手を動かさずに年越しか、 何度かその気になってはみたものの、直ぐに挫けてしまう。 黒曜石のナイフづくりが中断したまま、 この分では中断の新記録、誰か尻を叩いて。 技術の向上もそうだが、製作意欲もそう、 独りよがりでは限界がある。 本来、ものづくりにはゴールがないはず、 理想に向かって果てしなく、つくり続けてゆくもの。 材料も道具も、そして技術もそこそこ、...
View Article黒曜石
黒曜石は、字のとおりだと黒い輝く石。 輝きは、ガラス面の反射を言っているに違いない。 実際、割れたガラス面を持たない黒曜石は、 一見すると、ただの黒い石、 最初は土にまみれた土色の石。 表面にこびりついた土が、雨、水に洗い流されて初めて黒色。 地表に露出し、風雨に晒されたり、 沢に流入し沢水に洗われるなどして、ようやく黒色。 でも、風化が進むと灰色、そして、沢の転石も最後は灰色。...
View Article日本刀
白鞘仕込みの日本刀、もちろん模造刀だが、 古道具屋で思わず衝動買い。 刃物の中では、一番好みの日本刀、 現代作は現代刀と呼ばれ美術品扱いだが、 日本刀の本来の用途は殺人用、いわゆる武器。 銃刀法で刃渡りがたった5.5センチメールの 両刃のナイフ(剣)が所持禁止なのに対し、 限られた範囲とは言え、日本刀は 持つことも、つくることも許されている。 この日本刀のルーツは、細石刃のナイフ、...
View Article箱橇
突然の暖気、路面の雪が解け出した。 降雪の予報は聞いていたが、 春先のような陽気は聞いた覚えは無い。 おかげで除雪の雪も、固く締まって 早くも流雪溝が詰まるトラブル。 雪解け水で、車がすっかり汚れてしまった。 気温が高いので、この際、箱橇の化粧直し。 箱橇は、長女の幼少時代のもの、 今時、箱橇なんて昭和の遺物かもしれないが、 ばば車ならぬじじ橇として、 高齢の父親の雪道歩行の補助用に最適。...
View Article黒曜石採取
この冬は、とうとう工房の中に 黒曜石をストックすることはしなかった。 黒曜石は雪の下に、とは言え土の中よりずっと増し。 土の中だと凍りついて、取り出すことは困難だが、 雪の中だと低温保存、凍ることは無い。 黒曜石は、雪の中から掘り出せば良いだけで、 きっと、大昔も地表の黒曜石の礫は、 冬でも採取されていたに違いない。 また、冬だと橇を使えば、 夏より多くの黒曜石を運び出せたと思っている。...
View Article打ち納め
あるかないか分からないが、 とりあえず黒曜石のナイフのつくり納め。 所山工房で今年最後の黒曜石のナイフづくり、 打製石器のつもりなので、打ち納めでもいいかも。 黒曜石は、もちろん所山産、 薪ストーブの前で汗だくで石を割る。 それにしても、調整のきかないストーブ、 一度火を着けると、ひたすら燃え盛る。 煙突効果そのものの円筒形のストーブ、 思いついた人は、偉かった。...
View Article所山工房
今年も残すところ後3日の決まり文句、 正確には、今日を入れて後4日。 今年は終盤に来て、全く手が動いていない。 原因は、いろいろあるが、 やはり所山の工房完成が最大の原因。 工房整備に手間暇がかかったのと、 黒曜石入手の心配が無くなったこと。 普通は材料の心配が無くなると、 安心して製作に励むことができるものだが、 これが逆効果だったとは。 ハングリー精神と緊張感が薄れたかも知れない。...
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