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薪割り

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ベンチをつくった残りの丸太、すべて薪にする。
薪割りには、素人なりのこだわりが、
できれば、開拓当時の三方六の薪づくり。
三方六とは、みかん割りの木口の三辺が各六寸、
断面が各辺約18cmの正三角形の薪のこと。
太い木でなければつくれない。
ただ、丸太も太くなると斧で一発とはいかない。
まずは、半径方向2ヶ所と芯に斧を入れ半割線をつくる。
次に芯の斧跡にクサビを打ち込み半割する。
半割したものを、さらに半割あるいは三つ割、四つ割り。
丸太も元から割るのが原則だが、
節の無い方の木口から割るのが優先。
また、節の真上から斧は入れない。

矢尻

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和弓は独特の弓の引き方をする。
弓掛けと呼ばれる手袋状のフックをはめ、
その親指の付け根に弦を掛けて引く。
さらに、矢を放つとき弦は胸の前を外回り、
これで矢が真っすぐに飛んで行くのだから不思議。
弦は麻でつくられ、矢をつがえる部分は補強され、
弦には、くすね(松脂)が擦り込まれている。
弓道の道具は、他の武道の道具同様、
工芸品の域に達しているが、なぜか矢尻が偽物。
どうして本物の矢尻を着けないのだろうか。
射る相手は紙の的、何の危険も無いというのに。
居合道では真剣を振りまわす。
弓道も本物の「矢」の方が良いと思うが。

樹皮の紐

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昔、アイヌの人々はタモやニレの樹皮でつくった紐で、
衣服をつくっていた。
アツシ織りと呼ばれ、その独特の文様の入った衣服は、
今では工芸品扱い。
このタモの樹皮の紐をつくる。
紐は、石のナイフのブレード元に巻いてヒルトのつもり。
剥いだ樹皮は、泥水にしばらく浸けて埋もれ木色に。
薄皮を剥ぎ乾燥、その後、細く裂き縒り合わせて紐にする。
縒り方は素人、太かったり細かったり、
それでも、ただ縒り合わせるだけ、10m近く出来た。
樹皮の紐は思いのほか丈夫、衣服にするだけのことはある。
巻いた紐にムラが目立つが、かえって素朴な感じ、
また、埋もれ木色も、流木のハンドルに良く似合う。

オピネル

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少し遅めの山菜採り、
早いところは早いが、遅いところは遅い。
狙いはウドとタランボ、そしてコゴミ。
ウドはジャストタイミング、タランボは大小極端、
コゴミは極太といったところ。
山菜採りのお供は、フランス版肥後守のオピネル。
人よりは、多少多くのナイフを使っているつもりだが、
一番多用しているのが、このオピネル、
なんてったって、切れ味が抜群。
木製のハンドルの折りたたみ式、独特のストッパー付き。
そして、とても安価なので、どんな使い方も気にしない。
サイズもいろいろあるが、手頃なのはNO7、
これが一番のお勧め。

杣道具

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いつもの収集癖、今度は杣道具、
分かり易く言えば山仕事の道具、所山工房周囲の山林管理用。
トビには製造元の銘が入っている。
さすが杣道具だけに、林業の盛んな町名が刻まれている。
トビは全部で20本、内、異なる銘は12種。
ただし、残念ながら半数は柄が無く頭だけ。
手打ちの大鋸や窓鋸、手鋸等、鋸類が13本、
内2本は、立派な木製の鞘付き。
サッテと呼ばれる巨大な斧が2本、薪割り斧2本、
鉞が3本、鉞は残念ながら頭だけ。
そして貴重品の木回し、先端の爪付き。
長い柄の中途に「し」の字形のフックの着いた道具で、
別名ガンタとも呼ばれている。

埋蔵文化財包蔵地

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国内有数の旧石器遺跡を有する置戸町、
遺跡は黒曜石原産地の置戸安住遺跡。
町内には、この埋蔵文化財包蔵地が、
なんと100近く登録されている。
人口約3000人の小さな町に、
これまで確認されたものだけで100近く。
さすが、黒曜石の原産地、開拓当初は、
町のどこを掘っても石器が出てきた。
ただ、発見場所のほとんどは人の住んでいるところ。
町の面積の約8割が森林なので、まだ相当数の
未発見の包蔵地があるはず。
肝心の黒曜石噴出地の所山と置戸山、
山全体を埋蔵文化財包蔵地とした方が良いかも。

所山産黒曜石

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町内には黒曜石原産地が二ヶ所、
置戸山と所山、二つの流紋岩質溶岩の噴出地のこと。
面白いことに、この二つの山は川を挟んで隣り合わせ。
置戸安住遺跡は、所山の山裾にある黒曜石原産地遺跡で、
出土の石器に使われている黒曜石は、
すべて所山産の黒曜石だと言う。
所山の山裾なので、当然だと思うかも知れないが、
すぐ隣の置戸山産の黒曜石が、一つも無いとは不思議。
仮に山腹でなく、川からも採取したとすると、
川には、両方の山の黒曜石が流入している。
置戸山産の黒曜石が採取されない訳がない。
また、遠くから川を辿って来たはずの旧石器人が、
両方の黒曜石に気づかなかったとは思えない。

黒曜石ナイフ

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久しぶりに黒曜石のナイフを仕上げる。
気分は、まるで昔取った杵柄、
各工程一々確認しながら、何処となくぎこちなく。
ブレードは所山産の黒曜石、ハンドルはマツの流木。
まずはブレードづくり、形は石器で言うところの尖頭器、
鹿角製のハンマーと押圧具を用いてつくる。
ハンドルはマツの流木、枝の芯のところでタケノコ状、
ブレードを差し込む、切り込みを入れる。
切り込みに溶かしたアスファルトを充填、
ブレードを差し込み、接合部に紐を巻いて化粧。
最後に、ハンドルに蜜蝋を塗って出来上がり。
全長は、どんなに適当につくっても皆同じ、
寸法は自然と手が決めている。

ガラスのブロック

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最近は全くつくっていないガラスのナイフ。
とは言っても黒曜石は天然のガラス、厳密には当たらない。
つくっていないのは、人工のガラスのナイフ。
この人工のガラスの中で石器づくりに最適なのは、
厚さ約10mmの板ガラス、黒色であればなお最適。
国内最大の尖頭器だって、板ガラスで簡単に複製できる。
石器づくりの練習には、この板ガラスがお勧め、
なんたって、人工のガラスは再生できる。
欠片や失敗作は溶かして、また板ガラスができる。
さらに、初めから板状であることから、
難しい剥片づくりの工程が省略できる。
ただ、本来ならこの工程も基本中の基本、
出来ればブロック状のガラスが望ましいが、既製品は無い。

黒曜石のナイフ2

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所山工房では、周囲から拾い集めた黒曜石の原石をストック、
その原石を使って、暇々に黒曜石のナイフをつくっている。
ナイフは、取りあえずブレードだけ、ハンドルやシースは後回し。
ハンドルやシースをつくろうとすると、
わざわざ、その材料や製作道具を運び込まなければならない。
面倒なので、ハンドルやシースはブレードが溜まってからそのうち。
以前は真面目に、デッサンしてからつくったものだが、
最近は打製でつくっている。それも、ブレードだけ適当に。
ブレードの全長は、原石の大きさに依存する。
そして、原石の材質、打撃の仕方、剥離片どれも均一ではない。
従って、どんなに緻密にデッサンしたとしても、
決して、そのとおり出来るためしはない。
良く言えば、すべて世界にひとつだけのナイフ。

黒曜石熊

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孫が突然「十勝石の熊をつくって」。
どこでどう思いついたのか知らないが、
以前つくった黒曜石の「木彫り熊のマスク」を、
知ってのことに違いない。
熊のマスクは簡単、まず円形石器をつくり、
三つの突起を残し一回り小さくする。
突起をつくるのは、もちろん押圧。
突起は一つが口、二つが耳、これだけで熊の顔に見える。
実は石器時代にも、似たようなものがあった。
石器と同じつくりで、動物の形をした石偶と呼ばれるもの。
マスクはこれだけだが、せっかくなので胴体もつくる。
大きな円錐形細石核をつくり胴体にする。
顔と胴体はアスファルトで接着、「どんころ黒曜石熊」。

ツリーハウス

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ツリーハウスづくりに着手、今日は金具の買い物。
計画はこんなところ、ハウスといっても空中にテントを張る。
四本の太い樹の胸高付近に、横木を渡し床板を敷く。
更にその上約2m付近に、同じく横木を渡し床板を敷く。
結果、地上約3m付近の樹上にテントを張ることに。
一般的ではないが、イメージは山内丸山のヤグラ。
やや長方形、四隅の樹は径30cm前後のマツ、
長方形の長辺が3mちょっとあり、横木のたわみが心配。
四隅の樹は枯れてもかまわないが、樹を使って。
横木の固定は、ピンにぶら下げる方法で、
具体的には、ボルトを幹にねじ込み、
その頭に横木を番線で縛りつける。
樹へのダメージは、ボルトの穴だけ。

木簡

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7、8世紀の日本にカードシステムがあった。
それは、木簡と呼ばれる文字の書かれた木片。
木片の頭には紐を通す穴があけられ、
書かれた項目毎に綴り直すことができた。
木簡の文字は墨で書かれ、使用済みや書き損じは小刀で削り取られた。
そう言えば、ボールペンで書いた誤字を
カッターナイフで削り取ることは、今でもたまにある。
刃物を消しゴム代わりに使うルーツは、木簡だったんだ。
現代の木簡で思いつくのは、葬儀の供花の名札。
エゾマツの柾目板に墨書き、鉋で削り直して薄くなるまで使う。
でも、最近は柾目板の作れる大径木が枯渇、
厚紙の札に取って代わっている。

ブログ記事

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ホームページに続きブログも廃止か、
と言うことではなく、故意にブログの記事を削除しただけ。
本当は、古い記事を削除するつもりが、
誤って直近の記事から削除してしまったので、
次いでに、すべての記事を削除してしまったもの。
11年分は、バックアップをとってあったが、
12年分は、残念ながらすべて失った。
以前なら、がっくりきてたところだが、
最近は重複ネタが多いので、ダメージは小さい。
面白いもので、あれほど気にしていたホームページの更新も、
無ければ無いで、どうってことはない。
もちろん反響も、ほとんど無し。
空いた時間に、11年分をプリントアウトし製本する。

黒曜石のナイフ

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ホームページに、製作の度にアップしていた黒曜石のナイフの画像
当ブログの埋め草代わりに再掲することにした。
予て構想の、写真集の予行演習のつもり。
見開き、写真1ページに記事1ページ、これを101セット。
タイトルは「StoneKnife101」、
101は、100以上たくさんという意味を込めて。
取りあえずこんな感じ。
再掲の画像は、まずはトップページ用のものから。
トップページのものは、自分の中では大型の部類、
全長が約270mmを超えるものと決めている。
ホームページでは、ブレード長、ハンドル長、総重量を、
表示していたが、埋め草扱いなので画像だけ。
記事の方も、まずは製作に関してから。

打面調整

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石器づくりで、目立たないが極めて重要な作業が打面の調整。
石の割れは、打点直下に発生する頂角約120度の割れ円錐の外周の剥離。
石を割る時は、初めに剥離面即ち割れ円錐の外周を想定
(何処をどのくらい割り取るか)。
次に割れ円錐の頂点即ち打点を求める(何処を叩くか)。
最後に打点に対し「垂直」に打撃を加える。
特に尖頭器など器体の側面を剥離する時、
その打面は、ほぼエッジ上になり非常に小さくて脆い。
このためエッジを小石などで、あらかじめ擦り落とし、
丈夫な水平面を用意することが重要。
小石やハンマーで擦ったり、台石に擦りつけたりするが、
ただ擦るのでは無く、ヤスリで平面を削りだすような感じで擦る。

ハンマー

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剥片の大きさは、打撃の強弱、打撃の角度、
そして、ハンマーの材質と打点の大小が作用する。
原石から大きな剥片を得ようとする場合、
大きくて重いハンマーが適している。
薄い剥片を得ようとする場合、軟質のハンマーが適している。
ハンマーの材質は、軟質の方が汎用性がある。
石がうまく割れない原因のほとんどは、不正確な打撃。
打点の位置が悪い、或は打点に当たらないなど。
この不正確な打撃の最大の要因は、実はハンマー側にある。
ハンマーは打点を打撃するための道具、
平面上にある打点を打撃するには、ハンマー側に「点」が必要。
つまり、ハンマーの打面の形状は、円か球。

アスファルト

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最初は眉唾ものだった、石器の接着にアスファルトの使用、
実際に使用痕のある矢尻を見ても半信半疑。
ところが実際に使ってみて納得、アスファルトの接着力は予想外。
アスファルトといえば、国内でもごく限られた所からしか産出しない。
いくらなんでも全国の矢尻に、使用されたとは思えないが、
黒曜石原石の例が示すように、貴重なものほど
反って広域的に普及するということも有り得る。
現実に秋田県のアスファルトが、海を渡った北海道で、
土器に貯蔵された形で出土している。
アスファルトは、熱すると溶けるという特性がある。
熱を加えることで、接着を解除できるという利点がある。
細石刃のナイフのように、刃を取り替えながら使用するものには、
無くてはならない材料だったと思っている。

押圧技法

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押圧技法とは、石を割るときハンマーで直接叩かないで、
角先等、細い棒の先端を石に押し付けて割る方法。
主に両面調整等、石器製作の仕上げ加工に用いられる技法。
押圧技法の最たるものは、矢尻の美しい並列剥離痕。
押圧であっても石の割れは、割れ円錐の原理原則どおり。
押圧に際し、最も重要な作業は打面の調整。
なぜなら、仕上げ加工のほとんどの場合、打面はエッジの直近、
エッジに平面はなく、あったとしても極小。
このため微細なエッジを擦り落とし、角先を当てる丈夫な平面を用意する。
押圧の実際は、縦方向に強く押し付けておいて横方向に一気にずらすといった感じ、
押し付けるというよりは、引っ掻くといった感じ。
また、「押圧」と加圧の仕方を言うなら、直接打撃は、
「打圧技法」と言った方が分かりやすいかも知れない打圧。

鹿角ハンマー

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石器づくりに鹿角ハンマーは欠かせない。
軟質ハンマーは、製作道具の画期的な発明品。
鹿の角がハンマーに最適と、いつ何処で誰が気づいたのか。
鹿角ハンマー発明の経緯を示す資料は見たことがない。
考えてみれば非常に不自然なことだが、
いつも使っている鹿角ハンマーのことは、何も知らない。
確か、何処かの博物館に鹿角ハンマーの遺物があるようだが、
だとしたら、重文クラスの価値ある遺物だと思うが、
そうした評判もまったく聞こえてこない。
本当に、ハンマーとして使われた鹿角なのだろうか。
そもそも旧石器時代に、鹿角ハンマーがあったのだろうか。
そしてまた、旧石器時代の鹿ってどんな鹿だったのか。
案外、木のハンマーで間に合っていたりして。
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