細石刃の石器
石器のつくり方は彫刻と同じ、素材を減少させてつくる。 一方、土器のつくり方は、素材を増加させてつくる。 同じモノづくりでも、素材の扱いとつくり方は全く逆。 当然、デザインや思考にも大きく影響していると思う。 石器づくりの宿命は、素材の大きさを超える石器は つくれないことだが、唯一例外がある。 それは、細石刃を用いた石器。 細石刃の石器は、土器と同じようなつくり方をする。...
View Article原石
置戸安住遺跡は黒曜石の原産地遺跡、 膨大な黒曜石の遺物が出土している。 置戸安住遺跡は、石器製作跡とも言われ、 黒曜石の破片は、それこそ砂利よりも多い。 今では畑になっているが、開墾当時は黒曜石の破片で 馬の怪我が絶えなかったという。 ところが、これほど多くの黒曜石に混じり なぜか、黒曜石以外の石材も多く出土している。 しかも、石器に使われている石材のほとんどが揃っている。...
View Article打点
探していた古書が見つかった。 古書探しは、もっぱらネット、 すごく便利な反面、古書店巡りの楽しみが無くなった。 探求書のジャンルは、考古というか石器に関するもの、 特に石器づくりについて記述のあるもの。 古書探しは、まるで発掘作業、見つけた時は感動モノ。 石器づくりは、決して本を読めば分かるというものではないが、 やはり基礎知識は本だのみ、ただし、実技になると話は別。...
View Articleギザ刃
石器の刃の構造は鋸刃や波刃に似ている。 小さなきっ先の集まりで、切れ味が良く刃持ちが良いのが特徴。 あの直線的な片刃の石刃を、あえて両面加工しているのは、 刃先の数や刃の延長を増す加工、 つまり、切れ味を長持ちさせるための工夫だと思っている。 この工夫はもう一方で、切れ味が抜群なのに素手で握っても、 そう簡単には手を傷つけないという安全性を生み出した。...
View Articleミニつるはし形ハンマー
このところ、山の工房通いの合間に石器づくりの教材づくり。 白滝産黒曜石で剥片取り、ちいさな円形石器もどきをつくっている。 その際、使用している自作の鹿角ハンマー、 自分で言うのも何だが、非常に優れもの。 なによりも手首への負担が軽減、関節痛の予防に役立つ。 このハンマーは、以前に紹介したことがあるミニつるはし形ハンマー。 小さな教材のため、小さな打点の必要性から考案、...
View Article遺跡の不思議
置戸安住遺跡は、黒曜石原産地遺跡と呼ばれている。 遺跡から北西約2kmのところに黒曜石原産地の所山がある。 また、遺跡のすぐ側を流れるオンネアンズ川の水源も所山。 遺跡からは今でも膨大な石器や石片が出土している。 ところが、この豊富な黒曜石を前に、わざわざ黒曜石以外の 石材でつくられた石器も数多く出土している。 石器に用いられているという石材のほとんどが出土している。...
View Article打撃角
石器づくりの教材づくり。 教材は、黒曜石製、3cm位の大きさで厚さは5mm前後、 そして、両面加工を施し全周にエッジを立てたもの。 このために専用のハンマーを拵えた。 ハンマーは、長さ5cm位の角先に径8mm、長さ21cmの丸棒を 差し込んだミニトンカチ形(当初はミニツルハシ形と呼んでいたが)。 工夫は、鹿角の両端をマイナスドライバーの形にしたこと。...
View Articleイシスティック
最近はまっている押圧具がイシスティック。 「イシ 北米最後の野生インディアン」T・クローバー著に 押圧具の記述、「それはイシの肘からのばした 中指までの長さの真っ直ぐな木の取っ手から出来ていて、 取っ手の先に細すぎも、太すぎもしない鹿の角骨の一片がついている」。 脇にはさんで使っているようだが、要は柄の長い押圧具。 早速再現することに、ただし現代的に。 柄はドラムのスティック、しなりのある適材。...
View Article鹿角ハンマー
まだ実際の遺物は見たことはないが、 代表的な軟質ハンマーに鹿角ハンマー。 確かに鹿角ハンマー1本あれば、石器をつくることができるが、 大きな原石から、大きな剥片を割り取るには無理がある。 何故なら、鹿角ハンマーには重量に限界があるため。 石器づくりにおけるハンマーの役割は、 原石内部に「割れ円錐」をつくる圧力を加えること。 当然、圧力はハンマーの重量、密度が大きく影響する。...
View Article頁岩
石器の三大石材は、黒曜石と安山岩と頁岩。 黒曜石は原産地につき、有り余るほどあるし、 安山岩も町内河川敷に行けば、玉石がごろごろしている。 でも、残念ながら頁岩は見当たらない。 以前、オホーツクの海岸で頁岩らしきものを採取したことがあるが、 割った感じ、石器には向かないものだった。 無いものねだりとでも言うのだろうか、 黒曜石ばかりで石器をつくっていると、 無性に黒曜石以外の石でつくりたくなる。...
View Article石器づくり
石器をつくる場合、材料が先か形が先か。 一般的なものづくりの場合、最初に形を考えるが、 石器づくりの場合、材料が先だったと思っている。 もちろん石器づくりも、最初にどんなものをつくろうかと、 つまり、形を考えるところから始まるが、 つくるものに見合う材料が、有ることが前提になっている。 自分の場合は、単純に材料優先、 いくら黒曜石の原産地とは言え、今では大きな原石は採取困難、...
View Article所山産黒曜石
黒曜石を使って石器づくり、 これまで使った黒曜石は、国内主要原産地の全て。 もちろん各原産地において1種類ということはありえないが、 とりあえず全ての産地の1種類制覇。 なかでも面白かったのが、大分姫島産の白い黒曜石。 北海道白滝産の梨肌の黒曜石を一層白くしたような黒曜石、 柔らかくサクサク割れるといった感じで、 本当に石器に使われていたのだろうか。 別に依怙贔屓するつもりはないが、...
View Article黒曜石二次産地
町内には二箇所の黒曜石原産地がある。 専門的なことは分からないが、 黒曜石原産地には、一次と二次があるようで、 一次は溶岩の噴出地、二次は転石の堆積地らしい。 とすれば、町内の二箇所は一次産地となるが、 面白いことに、その二箇所は常呂川支流、墓地の沢の両側に位置する。 町内では最近相次いで二次産地が発見されている。 その一つは、隣町に抜ける峠の頂上付近の、 常呂川支流、緑川の水源近く。...
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