打撃痕
石器づくりのハンマーには鹿角が最適だが、 旧石器時代の国内において、 鹿角をハンマーに用いたという確証はあるのだろうか。 どこか、なにかの本で、鹿角ハンマーの遺物の写真を見た記憶があるが、 たしか国内のどこかの遺跡の出土品だったような気がする。 随分といい加減な記憶だが、手持ちの古書の中に掲載されていたと思う。 こんど暇な時にでも、探してみるつもり。 それにしても、石器研究の学者には、...
View Article細石刃
今年、最初で最後かもしれない表採。 表土は雪も無く、ちょうど良い湿り具合。 例によって夕陽を背に石器を探す。 黒曜石の欠片は、陽に照らされて光り輝く、 大きな光につられるが、大きな光が、 大きな欠片とは限らない。 この辺りは、細石器文化の遺跡らしい、 確かに細石刃が多数出土しているが、 残念ながら、これまで一度も表採したことが無い。 ところが、今回初めて細石刃を採取、...
View Article背負子
自粛を自粛しようにも、肝心の気持ちが曇りのまま、 石器づくりも工房通いも中弛み。 間もなく連休だというのに、 山菜採りや、落角拾いも行く気がしない。 唯一、続いているのが所山工房の整備。 もういい加減、手を加えるところも無くなったが、 週末には、決まって搬入ものが出てくる。 工房への枝道は、悪路のため車の通行は無理。 荷物の搬入は、アルミの背負子でしている。...
View Articleベンチベッド
所山工房に自作のベンチベッド、 普段はベンチ、お泊まり会にはベッド。 自作と言っても、ごく簡単なもの、 ミニコン三つに巾60cmのコンパネを乗せ、 マット代わりに長い座布団を敷いただけ。 工夫はミニコンが、ずれないようにコンパネの裏に ミニコン用の枠を取り付けたこと。 枠の一辺は空けておき、引き出しと言わないが、 ミニコンを引き出せるようにした。 これで、ミニコン及びコンパネの下がもの入れになる。...
View Articleハンマーの頭
鹿角ハンマーの頭の形状は、 半球形または円錐形が望ましいと言っておきながら、 自分のハンマーの頭の形状は、半球形の半分近くが平面、 このままでは、もう片側の球形の部分も無くなってしまいそう。 いわゆる片減りの状態だが、なぜか今の形が使い良い。 その訳は、使い込んだ結果としての形状だから。 何のことはない、その頭の形が汎用形或は兼用形になったため。 ハンマーは、素材の打点を打撃するための道具、...
View Article遠軽町埋蔵文化財センター
この連休に遠軽町埋蔵文化財センターが特別開館する。 遠軽町白滝総合支所2階を改修して開設、 白滝遺跡群から発掘された資料や、 元の遠軽町先史資料館の収蔵資料など、 黒曜石の石器がてんこ盛りだと思う。 ただし、本オープンは7月の予定、 目玉の重要文化財指定の石器の展示は、今回は無し。 特別開館は、今月29日から6月8日まで。 5月6日までは無休、その後は土日が休館、...
View Article転石
面白いもので、ストックの黒曜石の礫も年々小さくなる。 以前は確か大きな礫がゴロゴロあったはずだが、 今では一様に15、6cmの礫。 改めて大きな礫から使ってきたことを実感。 技術が未熟な時に限って、良質な材料を浪費するのは、 ものづくりの宿命かもしれない。 いくら黒曜石の原産地とはいえ、 地表に露出している黒曜石は、小さな礫ばかり、 それでも丸い転石でなく礫なので、まだ増しな方。...
View Article所山工房
念願の所山黒曜石原産地工房、 連休明けから本格稼働の予定。 黒曜石の転礫は、工房周辺から採取できるが、 残念ながら、今のところ集中して露出している場所はない。 今後試掘を進め、堆積層を見つけたいと思っている。 工房の整備はほぼ終了、 石器づくりの道具類の搬入も終了した。 工房前に、石器づくりの広場も確保、 中央には石組みの炉をつくり、 夜の石器づくりの準備も整った。...
View Article遠軽町埋蔵文化財センター?
遠軽町埋蔵文化財センター、プレオープン、 初日、その全容を覗いてきた。 旧白滝村庁舎の議場を埋蔵文化財センターに改修、 もしかして新築並みの建設費がかかっているのでは。 展示の内容は、メインの資料がなかったのは予告どおり。 全体に、黒曜石をイメージする黒一色の内装、 照明は、雰囲気を重視したのは分からないでもないが、 年寄りには、ちょっと暗すぎた。 また、これだけ学術的、専門的な資料だというのに、...
View Article石刃鏃
最も石器らしい石器と言えば、 個人的には、やはりハンドアックス。 礫の一部を打ち欠いただけの、いわゆる礫石器。 猿にも出来そうな、ごく単純な石器で、 いかにも原始的な機能美を見せる。 そして、個人的に最もお気に入りの石器が石刃鏃。 細石刃を材料に、その先端を鋭角に調整加工、 細長いペン先のような矢尻。 その緻密な押圧加工の剥離痕、 いったい何を用いていたのだろうか。...
View Article山菜
春一番の味覚ヤチブキを、まだ味わっていない。 例年だと既に、野ワサビとともに味わっているはずだが、 連休明けには、その可憐な黄色い花を咲かせるのだろうか。 昨日は、この春初のアイヌネギを味わった。 アイヌネギは、食べ過ぎると強烈なニンニク臭を発する。 予防策は、量を食べないことだが、 旬の美味さに、つい食べ過ぎてしまう。 この辺りの花見は、5月の中旬ごろ、 花見のご馳走は、ジンギスカンや焼き肉、...
View Article原石
ものづくりにおいて常識的には、 初めにデザインありきだと思っているが、 こと石器づくりに関しては、どうだったのか。 最初につくる石器のイメージを描き、原石を求めたのか、 手に入れた原石から、つくる石器をイメージしたのか。 経験から言えば、その方法は両方有りで原石の状態次第。 ただ、どちらかと言うと、原石或は欠片の大きさに合わせて イメージすることの方が多かったのでは。...
View Articleニマ
工房近くの太い枯れ木を、チェンソーで切り倒した。 少し傾いていたのでロープで牽引、 倒す方向を修正していたが、 そこは素人、見事にかかり木になってしまった。 どうしようもないので、かかった木も一緒に切り倒した。 切らなくてもいい木を切ってしまった。 もったいないので、この倒した木で器をつくることに。 器はアイヌのニマに似せ、30cm位の大きな楕円のボール。 チェンソー一本で仕上げるつもり。...
View Articleバターナイフ
久しぶりの木工、 サクラの小枝を切り出しナイフで削り、 バターナイフをつくった。 サクラの良いところは、きれいな樹皮、 他の木に比べて、清潔感がある。 枝の根元の曲がったところを持つ方に、 全体の、およそ半分くらいが塗るところ。 削りのポイントは、少し中心がずれるが、 刃は、芯まで削り落とすこと。 芯が残ると刃の先端の始末が悪い。 サクラの小枝は削りの数だけ、 あの甘い香りを楽しむことができる。...
View Article石偶
人の多くは右利きで、 左手で原石を支え、右手に持ったハンマーで 原石を叩き割り、石器をつくっている。 この際の手の動きは脳の働きによるが、 左手の動きは右脳、右手の動きは左脳の働きによるそうだ。 右脳は、創造性・直感・イメージ思考・音楽・空間認識など、 左脳は、言語・論理的思考・計算などの能力に 関すると言われているが、少数派の左利きの人は 右脳が優れ、音楽、絵画、スポーツなどに...
View Article山菜採り
山菜採りに忙しい。 このところ、食卓には毎日のように山菜。 昨晩のアイヌネギの天ぷらは絶品、 山菜の多くは天ぷらに限る。 所山工房周辺には、コゴミが群生している。 このコゴミがちょうど食べごろ、 贅沢な極太の9の字、これも天ぷら。 山菜採りのお伴は、いつものオピネル、 フランス版肥後守とも言われているが、 肥後守よりずっと良い。 あの木のハンドルと、薄く鋭い刃が気に入っている。...
View Article尖頭器
石器は、汎用性の高い刃物だと思っているが、 槍先に用いられる石器が、 同時にナイフに使われることは、ありえない。 どう考えたって、長過ぎる柄が邪魔で、 槍をナイフのようには、到底使えない。 先が尖った木の葉形の石器は、 槍先を連想する尖頭器と呼ばれている。 また、ナイフ形石器は、ナイフ形と言っておいて、 その用途は槍先だと言う人もいる。 石器は、槍とナイフの境界線が実に曖昧。...
View Article避難小屋
素朴な疑問、 石器製作跡と言われている遺跡から、 石器の完成品が、たくさん出土している。 せっかくつくったものを、 持ち出さずに、なぜ残して行ったのか。 特に矢尻など、たいして荷物にもならないし、 また、ある種消耗品、残した理由が分からない。 想像するに、単純に気に入らなかったから、 完成品に見えるが、実は廃棄品。 或は、持ち出すことや取りに来ることを忘れたから。 さらに勝手な想像、...
View Article落角拾い
エゾ鹿の落角拾いは手遅れ。 せっかく山菜採りに行ってたというのに、 ついでに落角を探すのを忘れていた。 山は下草が芽吹き、落角は草の陰、 年に一度のチャンスを失った。 ところで、日高管内の落角拾いのツアーは、 今年も行われたのだろうか。 牧場のトラクターの大敵となっている落角を、 鹿角愛好家に拾ってもらう。 一石二鳥の、その狙いは良かったと思うが、 自然が相手、コンスタントに継続できるかどうか。...
View Article礫の自重
黒曜石の礫は元花畑にストック。 軒下のほんの小さな花畑だが、 家人が唐突に家庭菜園をつくると言う。 仕方が無いので、黒曜石礫の積み直し、 その最中に意外な発見、 地面の礫は、すべて半分くらいまで地中に沈んでいた。 一番下の礫は、地面の上に平に置いたはずだが、 多分、後から上に積み重ねた礫の自重のせい。 そういえば、礫を詰め込んだミニコンも、 詰め込んで暫くは、なんとも無かったのに、...
View Article